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東京都

社長チップスエンタテイメント株式会社

代表取締役会長

西川 世一

Seiichi Nishikawa

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PROFILE

  • 企業名

    社長チップスエンタテイメント株式会社

  • お名前

    西川 世一

CEO STORY

Q1

A. あなたをよく知る人物(家族・従業員・友人など)に紹介してもらってください。(他己紹介)

野球人だったこともあり、体育会系のリーダーシップとオープンマインドで物事を推し進めるのが得意な人です。事業のスタートは「段ボールやパッケージを特別なものに差別化するためには何が必要か」という発想からで、「ありきたりじゃないものを生み出したい」「自分たちは世の中に新しいことを提案する361°集団だ」、「Be a 361° Explorer!!361°の探求者であれ!」という情熱がすさまじいです。以前、「君たちはなんてファンキーなんだ!」と言われて大きなクライアント様を獲得したこともあったそうで。常識にとらわれない発想や人脈づくりが得意だと感じます。ときどき喋っている意味がメンバーに伝わらないことがありますが、そこは私が日本語から日本語へ通訳をして伝えます。笑
長く経営していればピンチもたくさんありますし、思い通りにならないこともたくさんあり、その中で挑戦し続けることは非常に困難です。しかし、やろうと思ったことは絶対にやるハートの熱さと、諦めない強い精神がある。また、常にオープンマインドなので、社内のメンバーや経営者仲間からも信頼が厚く、そのような部分をリスペクトしています!

Q2

B. 上記であなたを紹介してくれた方はどのような存在ですか

妻です。妻には最初、広報や採用を任せるところから関わってもらいましたが、現在はグループの取締役や社長チップスエンタテイメントの社長、母親など1人で5役6役と立場を担っていて、自分には絶対に真似できない。神なのかなと思うことも。笑 
僕は普段日本にいるのですが、彼女は今マレーシアに子供たちと渡り、1人で9歳と1歳半の子どもを育てながら一緒に事業を運営してくれています。子育てのパートナーとしてもビジネスのパートナーとしても、自分にはない発想やスキルを持っていて、アナウンサー出身としてのキャリアをいかしながら新しい領域を作るために一緒に戦ってくれている。私をサポートしてくれる存在で感謝しています!

Q3

C. 事業内容を詳しく教えてください

僕たちの会社は、もともとお菓子をビジネスメディアにして、企業の販売促進やイメージアップ商品を特別なお菓子のパッケージでプロデュースし、お客様のファン作りをする企業としてスタートしました。プロ野球やJリーグなどのスポーツ、有名アーティスト、アミューズメントパーク、アニメや漫画、企業などの商品プロデュースやイベント運営、オリジナルコンテンツを通したビジネスコミュニケーションの促進など、グッズやキャラクターの製作や出店、店舗販売までも一手に請負ながら、様々な立場の方を総合プロデュースしています!
そんな中で生まれた新しい事業が、「社長チップス!」です。今は社長チップスエンタテイメント(株)として法人化していますが、ポテトチップスについている野球カードのように、社長の皆さんをチップスのカードにして紹介するサービスです。名前入りのボールペンやティッシュをもらったことがありますか?必要だから一応もらうけれど、入っている社名まで気にしない方も多いのではないでしょうか。社長の特徴的な写真を使ったユニークなカード付きのチップスをもらうと、会社にも注目するし、社長が伝えたい思いや夢を知って共感できる。お菓子には、そんなコミュニケーションの「橋渡し」をしてくれる不思議な力があり、そこに着目してビジネス展開してきました。
僕たちが世界を見るとき、全方位を見渡すと360°になりますよね。我が社が大切にしているのは、その世界に新しい価値を創り出し、361°の世界にしていくということです。今ある既存の状態に満足することなく「361°」の挑戦を続けています!

Q4

D. どんな学生でしたか

小学校高学年から野球のクラブチームに所属していました。中学でも野球ばかりで勉強はあまりしませんでした。算数は得意でそろばん1級になりましたが、それ以外は成績が1とか2で。笑 野球の超名門校であり、甲子園出場回数やプロ野球選手の輩出数が抜きん出た中京大学付属中京高校に憧れ、「入れなかったら野球を辞める」とまで言っていたのですが、当時制度が変わり、成績が良くないと入学できないようになっていたので、ずいぶん苦労して入学しました。やっとの思いで入学し甲子園を目指すぞ!という矢先、入学3か月目にして、腰の骨折という大怪我を負うことに…。リハビリしてなんとか復帰するのですが、その後も同じところを繰り返し負傷。一年間、ほとんどグラウンドに立てず、失意のどん底に落ちました。何度も野球を辞めようと思いましたし、監督からも「もうおまえはグラウンドに来るな」とも言われました。それでもあきらめずにいたら、高校2年の夏、監督は僕をレギュラーに抜擢してくれたんです。それまで過酷な練習に耐えてきた他の部員たちがいるにも関わらず。当然、非難の目にもさらされましたが、この経験があったからこそ、必ずやり遂げるという責任感が芽生えました。結局、大学進学後も体調が整わず、目指していた社会人野球も断念することになるのですが、それでも野球から学んだことは本当に多いです!

Q5

E. 学生時代から社長になるまでの道のり(経歴)を教えてください

大学は体育学部に入り、社会人野球を目指したのですが、バイク事故を起こして怪我をしたことをきっかけに、野球に対する情熱が冷めてしまいます。このまま体育学部にいて何をしたら良いのかと悩んだ結果、大学は3か月で中退し東京に出ました。その後、経理の学校やデザインの専門学校に通い、テレビに出るようなバンドを招いた音楽イベントの主催やオーガナイザーとしての経験を経て、22歳で愛知にある父の会社に入社することになります。父の会社は製紙業を営むいわゆる「箱屋」で、段ボールを手掛けていました。そこで僕が見たものは、電話口で頭を下げ続ける父の姿でした。段ボール業界は差別化が難しく、熾烈な価格競争が繰り広げられていました。一枚何円、何銭という値引き交渉の電話がかかってきて、それに応じられなければ取引を打ち切られてしまいます。「この業界は厳しい、この仕事をしていても未来はないかもしれない」と弱気になる父の姿を見るのが本当に辛かった。この経験から、父の事業をそのまま引き継ぐのではなく、自分たちにしかできないことにチャレンジして、新しい価値を生み出していく必要性があると感じました。
最初は、スーパーなどの陳列容器に目をつけました。板チョコやスナック菓子を差し込む容器やPOPを段ボールで作ってはどうかと提案し受注したんです。それなりの結果にはなったのですが、結局、アイデアだけ採用されて他の安い業者に発注されてしまうということが続いて断念しました。そんな折、ある広告代理店からお菓子とフィギュアをパッケージにしてノベルティにしたいという仕事依頼を受け、これはビジネスチャンスになるのではないかと気付きます。実は子どもの頃アトピーがひどく、医師から「小麦、卵、乳製品は与えないように」とドクターストップがかかっていました。この状況ではお菓子はほとんど食べられないんです。それでも母はかわいそうだと思ったのか、おやつの時間には他の兄弟たちと同じものを用意してくれていました。そのことが子供心に嬉しかった。お菓子には、人を笑顔にする力がある。お菓子をもらうと、嬉しくて会話が弾む。これは良いコミュニケーションツールになるのではないかと、父の会社の事業のひとつとして、お菓子を活用した企業のプロモーショングッズを作り始めました。前述した社長チップス!などもそうですが、他にも、ちょうちんの形にした容器にお菓子を入れて、企業の特徴をアピールしたり。そんなお菓子を活用したビジネスメディアを手がけるようになり、父の会社から独立して始めたのが、essprideです。

Q6

F. 最近感情が動いたエピソード

仕事では常に感情が動いています。いろいろなことが起こるので。笑 
でも最近は、マレーシアにいる子どもたちのことを見ていて感情が動きますね。今、上が息子で9歳、下が娘で1歳半。それぞれの年齢に沿った成長を見ていることが感慨深い。離れて暮らしているから、余計にそう感じるのかもしれませんね。9歳の長男は、本当はもっと父親に遊んでほしいんだろうなと思います。先日、妻や子どもたちがみんなでウイルス疾患にかかったとき、息子がLINE電話をしてきたのですが、不安な中でもしっかりしなきゃという様子が伝わってきて、大きくなったなぁとしみじみ実感しました。父と息子の男同士の関係性だからこそ、期待もあるしいろいろな感情があります。私自身、社長をしていた父の姿を見ていましたし揉めたこともありましたから、長男から見たら僕の姿はどう映っているのかなと考えますね。長男は、パパには負けたくないと思っているみたいですけど。笑

Q7

G. 汗と涙の塩(CEO)味エピソード(経営における最大の危機)

これまで危機はいくつも乗り越えてきましたが、一番印象に残っているのは、会社を立ち上げて2期目の終わりのこと。まだ社員が10人ぐらいの頃に、約18億円の損害賠償が発生する事態になりました。当時はお菓子に特化して事業展開をしていたのですが、大きなキャンペーンの中で扱った製品の中に、不良商品が紛れ込んでいることがわかったんです。ちょうど食品業界の不祥事が問題になり社会の目が厳しい時期に、消費者からクレームが入り、全品回収する事態にまで発展しました。大手代理店からも取引の停止を迫られ、本当に危機的な状況になりました。朝から晩まで謝罪や原因究明に奔走し、罵声を浴びせられました。そんな折、社内でも「この会社は続かないから辞めた方がいい」という声がささやかれて…。会社の中でも外でも気が休まらず、あの頃は本当に辛かったですね。

Q8

H. 経営危機をどのように乗り越えましたか

ひたすら謝罪や原因究明に明け暮れる毎日でした。悲しかったのは、これまで味方だと思っていた人たちが次々と裏切っていったこと。こんなものかと、すごく考えさせられました。でも、ある程度事態が収拾してきたとき、ある方が「この状況でよく逃げずに頑張ったね」と言ってくれました。僕自身、当時のことを思い出しても、最後までよくやったなと思います。あの経験があったからこそ、自分たちが何を大切にしていくべきかが明確になりました。会社として何を提供できるのか。その言葉を整理して出てきたのが、さきほどの「361°」の考え方です。

Q9

I. 社員とのエピソード(名物社員紹介)、社員への思い

いろいろな個性をもったメンバーがいますが、名物社員といえば副社長が浮かんできますね。会社が一番大変だった2期目からいてくれて、もう17~18年の付き合いになります。お菓子という商材を扱っていたからか、当時は女性社員が多かった中、中途採用で入ってきてくれた唯一の男性社員で、たまたま同じ学年だったということもあり話が合いました。仕事が終わった深夜、一緒に食事に行くのですが、当時はお金がなくて。でもお金がないとは言えないのでキャッシングでお金を借り、ご飯に行くということをしていました。今となっては良い思い出です。笑

Q10

J. リーダーシップのスタイル

壁がなく気さくな社長だと言ってもらいますかね。みんな「世一さん」と呼んでくれて。仕事のことで困ったことがあったときも、気を遣わずに相談できると。でも、基本的にはまず一人ひとりが自分で考えるように伝えています。メンバーにはそうやって育っていってほしい。自分がやりたいことや、これはいける!と思えたことにチャレンジすること、諦めずに自分を信じて一生懸命やることを応援しています!

Q11

K. 事業を通して実現したい夢

361°を追求して新しい価値を創り出していくことを理念にしていますが、それってけっこう大変なんです。360°(既存の世界)から361°(新しい価値のある世界)になった瞬間、もうそれが当たり前になっていくから。笑 一般的に、ビジネスって、かしこまったものだったり、ルールがすごく厳しかったりしますよね。でも、既存のルールにないものや自由でクリエイティブな発想から、新しい事業は生まれていきます。苦しいけれど、それを仲間と一緒にこれからも追い求めていきたいです!
目立ったらいけないとか、出る杭は打たれるといった考え方じゃつまらない。なんでも否定するところから始まるような文化もまだまだありますが、そうではなくて、新しくチャレンジする人を応援する世の中にしていきたいです!

Q12

L. 夢を実現するために武器となる社長の強み、こだわり

僕は、いわゆる社会不適合者なんだと思います。笑 一般常識からすると、僕みたいな人間はとんでもない。そういう型破りなところが、よくも悪くも僕自身の武器であり、足を引っ張るところでもあると思います。でも、父の会社に入社したとき、熾烈な価格競争に巻き込まれながら必死に頑張っていた父の姿を見て感じていたことが、自分の原点になっています。ありきたりなことをやっても価格競争になってしまう、差別化をして独自のポジショニングをする必要がある。その想いが、今の事業につながっています。自分たちにしかできない新しい価値を追い求め続けて20期目。まだまだ挑戦し続けていきます!

Q13

M. 社会貢献、地域貢献、SDGsに関して実行していること

父が経営していた段ボールの会社もそうでしたが、日本の企業は99.7%が中小企業。おもしろい会社もめちゃくちゃ多く、それぞれの社長がいろいろな想いをもって一生懸命頑張っています。それにも関わらず、会社のことが知られていないから社員が集まらなかったり、後継者がいなかったり。そんな経営者の方をたくさん見てきました。
僕たちは、中小企業支援のための社長プロダクション「社長チップス!」の活動を通して、経済活性化や地方創生につながる中小企業の発信や仲間づくりを応援し、貢献したい。また、経営者が子どもたちの教育に関わり、次世代の担い手を育てていく「うまCEO学園(うましおがくえん)」の活動も、仕事と教育を結び付ける大切な役割があります。
元気がない人を元気にする、非日常の楽しさを伝えていく。新型コロナウイルスが流行ったときも感じましたが、エンタメや非日常って、絶対に必要だと思うんです。ただ商品を作っているだけではなくて、心の豊かさにつながっていく。これからもみなさんにエンタテイメントを届け、中小企業をはじめ、日本を元気にしていきたいです!

Q14

N. 自社の強み、面白い制度

事業がお菓子を軸に始まったというのがユニークなところですかね。大手が扱うには、ロット数の関係で難しく、食品というある意味リスクのある分野。そこから参入してポジショニングしていったからこそ、今こうして、お菓子にとどまらず様々な分野に展開できているのだと思います。社風は、元気で明るい体育会系。メンバーそれぞれの個性や才能がいかせる環境が強みです。労務系はしっかりしていますが、それ以外には基本的に「これをやったらダメ」というルールはありません。それぞれがのびのびと活動しながらも、きめ細やかなチームワークで連携しています!

Q15

O. 若者に望むこと、共に挑戦したいこと、メッセージ

子どもの頃から361°に挑戦してほしい。今の自分の一歩先に行くため、常にいろいろなことにチャレンジしてほしいです。失敗もあるかもしれないですが、挑戦した分だけ大きな可能性につながってきます。一歩を踏み出す勇気をもってほしいですね!

Q16

P. 家族へのメッセージ

妻はともに戦ってくれている人生とビジネスのパートナーなのですが、メッセージとなると、いろいろな思いがありすぎて言葉にするのが難しいですね。一言じゃとてもとても言い尽くせません。とにかくこれまで仕事ばかりで、家族のためには何もできていませんでしたから、いつも大目に見てくれる家族に感謝しています。