Interview

社長のせなか

株式会社キューブアンドカンパニー

荒内 慎孝斗社長インタビュー

【第1回】 2020.04.22

 

今でも忘れられない

辞めていった社員のこと

 

鈴木:今日は、社長が普段、正面では話せないような話をお聞かせください。

 

荒内:よろしくお願いします。

 

鈴木:どのような経緯で創業されたんですか?

 

荒内:社名の由来でもある3人で創業しました。創業地は新御徒町です。

 

鈴木:3人で、というのが社名、キューブ(3方向の立方体の掛け算)カンパニーの由来なのですね。どうして新御徒町でスタートされたのでしょう?

 

荒内:常務の自宅をオフィスにしていたからです。常務、副社長、私(社長)の3人で会社をスタートしたのですが、創業時には自分はまだサラリーマンでしたし、副社長も自分と同じ会社に勤めていました。常務は別の会社を先に退職してフルタイムで新会社にコミットしていたので、その自宅が最初のオフィスになったのです。創業が3月で、私と副社長はその年の7月のボーナスをもらってから前の会社を辞めたので、数ヶ月間は二足の草鞋でした。

 

鈴木:3人で始められて、今、何年目ですか?

 

荒内:2007年の創業なので、もうすぐ13年経ちます。

 

鈴木:10年以上も会社が続くと、創業メンバーとはいろいろ問題が起きたりして、「当時のメンバーはもういない」という話をよく耳にしますが、皆さん今も会社の幹部としていらっしゃるんですね。

 

荒内:はい、とても仲が良いです。普段は話せない話……ということであれば、おもしろいエピソードがありますよ。……今日は辛い話をするんでしたっけ?

 

鈴木:いや、おもしろい話も大丈夫です。ぜひ聞かせてください。

 

荒内:新御徒町にあった最初のオフィスは、まず玄関を入るとリビングルームがあって、その奥にベッドルームがありました。リビングを仕事場にしていたのですが、常務にとっては普段住んでいる生活の場でもあるわけです。

そこに私と副社長は出社という形で通っていたわけですけど、ある朝、オフィスに行ったら、玄関からリビングを通ってベッドルームに向かって、女の子の浴衣の帯、髪留め、浴衣……順番に脱いでいった跡がわかるように落ちていて、あぁ、前の日はそういうことがあったんだな。みたいな(笑)

 

鈴木:プライベートも共有できるほど、仲が良い関係だったんですね。3人はどういういきさつで集まったメンバーなのですか?

 

荒内:常務とは中学、高校が同じで、そのころから、将来は一緒に会社やりたいね、と話をしていました。副社長とは前職が一緒でした。自分が新卒、彼は後から中途採用で入社してきて、同じ年齢ということもあって、意気投合しました。彼は「ラーメン屋でもいいから、独立したい」みたいなことを言ってて、一緒にやろうと話していました。週末になると3人で、すでに起業していた別の友達のオフィスに集まって、どんなビジネスモデルで会社をやろうかとか、1年くらいブレストしてましたね。

 

鈴木:今、社員は何名になりましたか?

 

荒内:今は46名です。

 

鈴木:これまでのメンバーで、特に印象に残っている方はいますか?

 

荒内:印象に残るということだと、今いるメンバーよりももう退職してしまった社員が頭に浮かびますね。

 

鈴木:すでに辞めてしまった社員ですか?どんな人ですか?

 

荒内:子会社の社長を任せていたんですが、2年目に使い込みが発覚したんです。それが何度かあったので、会った時にぶんなぐってやろうと思いました。それで近寄っていったら、そのまま逃げるように走り去って、それっきりなんです。当時はカッとなってしまいましたが、今はすごく会いたいですね。彼は、うちの会社では初めての新卒入社メンバーです。実家が自営業で、もともと起業を志望していたので自分とも重なる部分があって、とてもかわいがっていたんですよ。それで入社3年目で子会社の社長に抜擢したんです。

 

鈴木:新卒3年目で抜擢ってすごく優秀ですよね。そんな彼が、なんで使い込んじゃったんですかね?

 

荒内:それは自分にも悪いところがあったんですよ。私の行動の話なんですが、よくクラブとか、夜の飲み屋に連れて行って、みんなにおごるわけです。そこでは派手に使ってみんなにおごるとかっこいいわけじゃないですか。そういうのを見せていました。

 

鈴木:社長というのはこういうもんだと?

 

荒内:そうですね。遊びとビジネスって通じるものがあるというのが私の持論です。お店の女性に人気がある人って言うのは、仕事ができる人だと思うんですよね。例えば、話が上手だったり、人を惹きつける要素があったりするでしょう。そんなこともあって、夜のお金の使い方を見せてしまったもんだから、彼もそれをやっちゃったわけですよ。当然、そんな派手に使ったお金を会社の経費にするわけにいきませんよね。それで結局は、お金が足りなくなって使い込んでしまった。

 

鈴木:会社のお金に手を付けたわけですから、つまりは悪いことをしたわけじゃないですか。それでも、好きで会いたいんですね。

 

 

荒内:失敗したことって、基本は変えられないじゃないですか。過去は変えられない、でも、そこからどう未来に活かすかが大事です。私自身もそういう考えがあったのに、カッとなってしまいましたから。すごく反省しましたよ。もっと愛情を持って接していれば、こんなことにはならなかったかなって思います。

 

鈴木:社長という立場の方たちは、口調がきつかったり、厳しい表現を使ったりする場面があっても、本当に怒り心頭で感情に任せて怒鳴っている人って、いないんじゃないかなと思うんですよね。経営が自分の言動にかかっていますから、常に高いところから物事を見ている面はあると思います。結局、話している内容は、今後のためにすごく大事なことだったり、許してはいけないことだったり、または、1秒でも早く伝えるために口調が早まったり強くなったり……。でも、社員の側では社長の発言や態度を気にして震え上がったりしますよね。このあたりのさじ加減というのは本当に難しいですし、僕も、度が過ぎたのか、精神的に追い込む形で社員を辞めさせたことがあり、反省しましたから。

 

荒内:そうですね。私は実際、寂しがり屋ですから、仲間が去るのは本当に辛いです。

 

鈴木:心にぽっかり穴があく、みたいな辛さですよね。

話が少し戻りますが、荒内社長は、外で大きくお金を使う場面を見せたことが悪かったとおっしゃいますが、実際、いくら使ったんですか?

 

荒内:生涯累計でいったら・・・ご想像にお任せします。(笑)

 

鈴木:(実際にお答えいただいた金額を聞いて)それはすごい!

 

荒内:当然、一人の金額ではないですよ。みんなの分ということではありますが、多かったときで一回??万円はいかないくらいですかね。とはいえ、毎回そんなにたくさん使うわけではないです。

 

 

(第2回に続きます)

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