Interview

社長のせなか

株式会社キューブアンドカンパニー

荒内 慎孝斗社長インタビュー

【第3回】 2020.04.24

脳みそアスリートの原点は

家族にある。

 

鈴木:では、ご家族について教えてもらえますか?

 

荒内:父親は、地元で花屋の卸やスーパーを経営していました。だから、子供のころから、自分も経営者になるものだ、と思っていました。

 

鈴木:そこはお父様の影響をそのまま受けたんですね。仲は良かったんですか?

 

荒内:仲良かったです。子供のころは、あこがれていたし尊敬していました。すごい遊び人で、すごく忙しい人でした。ゴールデンウィーク、お盆、正月にしか会えないんですよ。平日は学校に行った後にしか起きないし、僕が寝てからしか帰ってこない。昔って、週休1日じゃないですか。その休みの日曜日は絶対ゴルフに行くし、なかなか会えない芸能人みたいな人です。

 

鈴木:めったに会えないのに仲が良いんですね。

 

荒内:イメージみたいな部分もありますけど、なんでもできる人って感じですね。例えば、僕が野球を始めたら教えてくれるし、水泳をやれば、教えてくれる。ただ、勉強だけは一切、口出されなかったですね。

 

鈴木:ということは、そのあたりはお母様ですか?

 

荒内:母親でしたね。父親は、子供にはいい顔しかしない。嫌なことは全部母親が言う。そんな感じで役割分担ができていましたね。父親にはいいイメージしかないし、母親については、小さい頃は「まじうぜぇ(笑)」と思ってましたから。でも、小学校の時に母親に厳しく勉強させられて、そこで中学校受験に受かったことでストレートで大学まで行けたので、その点では感謝しています。今は母親にも親孝行してますよ。

 

鈴木:ほかにはどんな教育方針がありました?

 

荒内:欲しいものは一切買ってやらないけど、必要なものはなんでも買ってやるって言われてました。

 

鈴木:例えばどんなものは買ってもらえず、どんなものは買ってもらえたんですか?

 

荒内:ちょうど、任天堂のファミコン世代なんですけど、ファミコンは買い与えられず、欲しくもないものがクリスマスの日に枕元に置いてあるんです。例えばゴルフクラブがありましたね。その時に僕は、サンタクロースはいないんだって確信しました(笑)

 

鈴木:ゴルフクラブは必要なんですか?

 

荒内:父親にとっては、必要だったんでしょうね。僕にやらせたかったんでしょう。

 

鈴木:たしか、ゴルフも学生時代にすごい成績をおさめられていましたね。経営者になられたことと、コンサルタントとしての「考えることが習慣化されている」という点で親の影響を強く受けているとのことでしたが、例えばどんなことがありましたか?

 

荒内:中学、高校時代は、成績がめちゃくちゃ悪くて、超落ちこぼれだったんですよ。春休み、夏休みのたびに補習で、赤点ギリギリでした。中高一貫の進学校だったんですが、テストの成績が悪いと、進級できないんですよ。それで補習を受けなきゃいけないんですが、中学2年から3年になる春休み、その補習に行きたくなくて、親のふりをして学校に電話したんですよ。「息子は体調悪いから休みます」みたいな連絡をして休んだんです。ただ、学校側には僕だってわかったんですよね。それで、折り返し家に電話がかかってきて、親にバレたわけです。

 

鈴木:そりゃそうですよね。

 

荒内:ところが、この話には後があって、その日に母方のおじいちゃんが亡くなったんですよ。心筋梗塞で突然。その時に、「おじいちゃんがお前のことを諫めたんだよ」って言われたんですよ。今回の件で、ここからお前は何を学ぶかが大事だ、って言われたことは、今でも強く覚えていますね。

 

鈴木:結構、重いというか深い課題を与えられましたね。それ聞いて、どう思ったんですか?

 

荒内:実際には答えはないですよね。

 

鈴木:「お前は悪いことをした」と言うわけでもなく、「あの嘘が原因だ。反省しろ」って突きつけるわけでもなく、ただ、考えさせる機会だけを与えた、ということでしょうか。

 

荒内:「考えろ」ってことなんですよね。結局。幼少のころから、考えさせる親だったというか、考えることをめちゃくちゃ習慣づけられました。何か、事件とかトラブルとか何かが起きるたびに「考えろ」って言われたんですよ。今回の出来事をどう考えて、次、どう活かすかが大事だ、って。だから、辞めていなくなった社員にも、会って、それを言いたいんですよね。

 

鈴木:まさにこの親にしてこの子ありってことなんですね。僕は、よく社員に「考えたか?」というと「うまく言えませんが、考えました」なんて言われることがあって、「おいおい、それは考えてないだろ」って言い返したくなるんですよね。

 

荒内:そうですね。

 

鈴木:でも、今回、お話を伺って、考えたかどうかの一つの判断基準として、考えてみて、次に活かせる状態になっているかどうかを問うことかなと思いました。

今日は、ありがとうございました。

 

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