Interview

社長のせなか

株式会社うちすけ

小比田 隆太社長インタビュー

【第2回】 2020.08.03

「明日死んでもいいように生きる」

常にベストを尽くすから後悔は一切ない

 

 

 

 

 

鈴木:どうしたら小比田さんみたいになれるか、聞かれませんか?

 

小比田:たまに聞かれるんですが、正直わかんないです(笑)。

 

鈴木:自分について振り返るタイミングとかあまりないですか?

 

小比田:もともとこういう性格なので、振り返ることはあんまりないですね。スリリングなことが好きなんですよね。安泰している時がつまらなくなります。

 

鈴木:スリリング……。それが楽しめるんですね?

 

小比田:会社が大変な時は楽しいと思えないですけど、大変なことを乗り越えて「結果的になんとか上手くいった」ってなると楽しくなります。

 

鈴木:格闘技もそうですもんね?生活の割合としてはキックボクシングが大きそうですよね。

 

小比田:大きいですね。さっき座右の銘の話で出ましたが、「仕事は遊びで、遊びが仕事」なんですよ。キックボクシングは遊びなんで仕事なんですよね。だから真剣にやらないといけないんです。

 

鈴木:その座右の銘はいつから?

 

小比田:サラリーマンの時からなんですよね。30歳くらいの時からそう思って生きています。

 

鈴木:キックボクシングを始めたきっかけは?

 

小比田:キックボクシングは33歳で始めたんですけど、26歳の時からウェイトをずっとやっていました。ただ、ウェイトの筋肉って全然使い物にならなくて。

「見た目だけじゃなくて、本当に強い筋肉に改良しよう!」と思って、キックボクシングやろうかな?って、そんなノリです。

 

鈴木:へーー。ノリで始めて仕事のように一生懸命できるんですね?

 

小比田:できますね。ウェイトも一生懸命やっていましたし。

 

鈴木:何事も一生懸命で全力なんですか?

 

小比田:どんなことも真剣に取り組んでいますが、“いかに短時間で最高のパフォーマンスを発揮できるか”とか、そういうことをずっと考えていますね。

 

 

鈴木:そういう生き方をしようと思ったきっかけはあるんですか?

 

小比田:大学生くらいの時に「僕の生きる道」って言う草薙さんが出ているドラマを観て、それに感銘を受けたのがきっかけですね。“明日死んでもいいように生きよう”と思って、それで全力で生きている感じですね。

だからもし今本当に死ぬってなっても、楽しかったなーって思えますね。後悔とかないんですよね。あの時に戻りたいとか、全然ないんですよ。「子どもの頃は良かったなー」って言う人もいますが、そういうのが微塵もないです。

 

鈴木:そう考えると、子どもの頃に読んだマンガとか、そういうものが自分を形作っていることって、けっこう多いですよね。今トレーニングをしていて、ゴール設定とかはあるんですか?

 

小比田:目先のゴールしか設定してないです。今度いつ試合出よう、頑張ろう、終わったら次どうしようかな?ってそんな感じです。

 

鈴木:それって仕事にも当てはまります?

 

小比田:当てはまるかもしれないですね。上場がゴールだって思っている社長は、上場したら気を抜くことがあるじゃないですか?そういうのはないですね。

遠くのゴールを設定して、そこにひたすら向かって、達成したからどうのこうのはあんまりないです。

 

鈴木:それって「後悔がない」って言うのと関連しているかもしれませんね。

 

小比田:その時のベストを尽くしているから後悔がないんだと思います。

 

鈴木:自分が得意だと思い込んでいたことが、計画通りに行かなくて心がボキって折れることありませんか?

例えば若い社員とか、学生の頃に喋りが上手くて、「営業に向いているね」って言われるような子が営業で入って、速攻挫折するっていうことが多くて。仕事なんてほぼ計画通りに行くことなんてないのに。

 

小比田:僕もまぁこういう感じなんで、「営業向いているね」って言われて、僕も自分で向いているなって思ってたんですけど、1年目はダメでしたね。でも心が折れることはなくて、2年目の24歳からトップ営業になりました。

 

鈴木:なんで1年目で心が折れなかったんですか?

 

小比田:あんまり大変だと思わないんですよね。大変だったはずなんですけど、振り返ってエピソードを考えると、あんまり大変だと思わない。

 

 

鈴木:じゃあストレスになることってなんですか?

 

小比田:ストレスなことは、我慢させられることですね。僕がやりたいことができないとストレスです。欲しいものが買えないのも、どこか行きたいのに行けないのも、やりたいことをやらないとストレスになります。

 

鈴木:じゃあ例えば上手くいかないとか、試合で負けるとか、それはストレスでは?

 

小比田:それは別に我慢させられてないじゃないですか、それは結果なんで。新卒の時の話で言うと、1年目の時の上司は「俺の言う通りにやればいいんだよ」って言うタイプで、全然力を発揮できなかったんです。でも2年目で上司が代わって、けっこう好きにさせてくれるタイプで、一気に結果が出ました。言うこと聞かされるのがすごく嫌なんですよね。ほったらかしてくれたらどんどんパワーを発揮するんです。

 

 

鈴木:確かにほったらかしても、トレーニングでも自分を追い込める人ですよね。僕は強制されないと追い込めないです。

 

小比田:そうですね。僕減量するのが嫌だから、普段から体重がちょっと増えたら戻すようにしていて、日頃から節制しているタイプだと思います。

 

鈴木:やっぱりそうですよね。さっきのゴールを決めないのとちょっと近いですよね?

 

小比田:そうですね。明日は社員総会があるんですけど、毎回のように僕から社員に「変化に対応する力と変化に対応するスピードが大事だ」って話をしているんです。必ず場面って変わるけど、それに適応することができるから生き残っている気がします。

 

鈴木:この道だって凝り固まらないってことですよね?

 

小比田:さっき仰っていたように、計画通りなんて大体行かない。だから計画通りに行かなかったとしても、じゃあ別にどうしようかな?みたいな。こだわらなくて、挫折とか味わったこともないです。負けているのかもしれないけど、まぁいっかって(笑)別にエリートでもなんでもないけど、挫折を感じたことがないです。比べなきゃ挫折って感じないじゃないですか。

 

鈴木:人と比べないですか?

 

小比田:比べないですね。「俺は俺だ」っていう感じ。東大卒のエリート経営者なんていっぱいいるし、でもそういう人を見ても、へー、ふーんくらいにしか思わないです。自己肯定感が強いんですよね。ただずっと順風満帆に行っているので、どこかに落とし穴がないかは探してはいますけどね。

 

鈴木: 39歳で未だに順風満帆ってなかなか面白いですね。

 

小比田:この会社に入って大変な時はありましたけど、そこを乗り越えて毎年良くなっているので。

 

 

 

 

 

 

(第3回に続きます)

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