Interview
株式会社うちすけ
小比田 隆太社長インタビュー
鈴木:小比田さんは誰か影響を受けた経営者はいないんですか?
小比田:意識した経営者はいますね。前職のお掃除本舗の創業者です。だから、僕ずっと転職したら、さらに年収が上がるっていうのはわかっていたんですけど、その人から学ぶため、今は修業期間中だから、ここで働こうって思ってたんですよね。創業者は僕が好きなルックスして好きなことを言っていても可愛がってくれて、本当に良くしてもらいました。今でも交流ありますけど。
鈴木:前職の創業者との出会いは?
小比田:普通に入社して、そこで出会いました。ビジネスの基礎はその人に教えてもらいました。
鈴木:その時の業務内容は?
小比田:。説明会に来た人に「やりませんか?」って勧める加盟店開拓ですね。1年でトップ営業になって、3年で管理職になりました。
鈴木:1年でトップになるのは、大変なことだと思うんですが、自分の中で王道の勝ちパターンみたいなものはありました?
小比田:なんですかね……。イケイケでやってた感はありましたけど。
鈴木:教える側に回った時になんて教えるんですか?
小比田:最初は、自分と同じようにできるようにするには、どうしたらいいか考えていました。だけど、同じようにできないとわかって、途中からいかに誰でもできるようにするかっていうことを考えていました。
鈴木:それって、具体的に何に気づいて変化していったんですか?
小比田:人は同じじゃないんだって気づきました。僕とは違うんだって気づいて、僕の分身を作るのは無理なんだなーって。
鈴木:じゃあ、どうしたらいいのか悩んだりしませんでした?
小比田:悩んでないですね、考えるけど悩まないです。ただよく怒っていましたね。怒るとバーンって物を投げる、いわゆる営業会社の怒り方。会社でよく怒る奴トップ3には入っていました。
鈴木:今は怒らないんですか?
小比田:今は一切怒らないです。
鈴木;どうやって変わっていったんですか?
小比田:怒っても人は変わらないんだなって。「心の矢印を自分に向けましょう」っていう内容の本を読んだんですよ。
鈴木:それでパッとすぐに切り替えられたんですか?
小比田:そうですね。“自分は変えられても、他人は変えられない”ってある時気づきました。期待すると裏切られるけど、期待しなかったらそもそも裏切られない。冷めている考えではありますけどね。
鈴木:怒らなくなって社員は成長したんですか?
小比田:怒らなくなったからといって、それで成長したわけではないんですよ。ただ、業績は変わらないけど、僕のストレスが減りました。僕、前職の時は血圧が高かったんですよ。でも辞めてから血圧が普通に戻りました。
鈴木:小比田さんって物事を決めるのは早いんですか?
小比田:いや、即決しないです。即決したくなっても一回踏み止まって、調べてから決断します。すぐに「よし!やろー」って決めたくなるんですけど、踏み止まって1日、2日おいて調べたり、自分で考えたりします。ちょっと冷却期間を置きますね。
鈴木:決める時はしっかりと裏付けを取ってから?
小比田:裏付けっていうか、自分でしっかり考えて、違うなって。
鈴木:人に流されはしないんですか?
小比田:しないですね。人にどう思われてもあんまり関係ないです。あと、人の言うことは信用しないですね。人に言われても必ず自分で調べないと気が済まないタイプなんで、騙されることもないです。
鈴木:面白いですね。他人を信用しないというか、鵜呑みにしないんですね?
小比田:そうですね。だから妻とかも何も決めたがらないですね。決めたあと、僕が「本当にそうなの?」って必ず自分で調べるから。だったら最初から決めない方がいいって思っているみたいです。
鈴木:その“自分で絶対調べる”っていうのは、何かきっかけがあって、そうなったんですか?
小比田:いや、きっかけはないですね。良い部分でもあり、良くない部分でもあるんですけど、自分に対して絶対の自信を持っているから、人のことはあんまり信じない。
鈴木:自分が調べた結果に自信があるんですね?
小比田:調べたことというか、自分に自信があるんだと思います。調べてもわからないことはありますからね。
鈴木:なんでそんなに自信があるんですか?
小比田:わからないです。自己肯定感の塊だから。
鈴木:自己肯定感とかって、人に教えられるものではないですよね。メディアに出る人って講演会の話が来ることも多いと思うんですけど。
小比田:人に教えるようなこと、ないですけどね。まったくいないわけではないんですけど、憧れの経営者とかもあんまりいないし、人に教えを乞うこともないんですよね。みんな松下幸之助さんの本とか読むじゃないですか。僕、読んだことないし、読みたいとも思わないんです。ここちょっとわからないって時に、その題材の本を読むことはありますけど、そういう立派な経営者の本って全然読みたいと思わないですね。
鈴木:わが道を行っているんですね。小比田さんの中で印象的なスタッフっています?
小比田:ほぼ入れ替わったんですよね。古くて出世しない社員はみんな辞めました。組織を作っていく上で、引き上げられない人はどんどん辞めていきました。もともと、なんで赤字になったかっていうと、社員が働かないことが原因だったんです。
働かない人を急に働かせたらそりゃ疲れるじゃないですか。そしたら辞めていきましたね。
鈴木:それ、その感じでスパスパ言っちゃうんですか?
小比田:この会社入った時は、けっこう怒っていましたね。
鈴木:自分でエンジンを回し続ける人ってそんなにいないですからね。でも小比田さんは自分でエンジンを回せるじゃないですか?それは周りにできないんだと自覚したんですか?
小比田:そうですね。自分と他人は違うと思いました。それは前職で怒りまくっても何も変わらないから、違うんだなって。あと色々細かいことを気にしていたんですけど、業績に関係ないことは気にしなくなりました。
鈴木:それはけっこう大きな転換では?
小比田:楽になりましたね。今は社長にしかできないことだけするようにしています。
鈴木:後悔しない、人を信用しない、自己肯定感が強い。小比田さんみたいな人もいるんですね。
小比田:よく変わってるって言われます。
鈴木:今日はたくさんの話題、面白い話をありがとうございました。
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