Interview

社長のせなか

税理士法人ネイチャー国際資産税

芦田 敏之代表インタビュー

【第2回】 2020.12.04

 

離職率を下げるより、 早期戦力化できるビジネスモデルに

 

 

 

 

鈴木:芦田さんは富裕層を知っている経営者ですが、組織をお金持ちにするにはどうしたらいいと思いますか?

 

芦田:それは付加価値を上げていくか、提供コストを下げるかのどちらかしかないです。

最近、私の組織でも、最近、人件費を低コストにできる方法に気が付きました。

アルバイトと正社員の人件費を比較すると、新卒社員でもアルバイトの2倍以上になります。さらに役職に就くと3倍、4倍です。

今、私の会社は正社員が95%くらいですが、どう考えても正社員を3、アルバイト7の割合にするべきと思ったわけです。

今は、それに移行するためにマニュアルを作っています。

低人件費でもできる仕事を、人件費が高い正社員は絶対するなという考えで、仕事のマニュアル化を徹底しています。

 

鈴木:アルバイトと正社員の割合って、そのくらいが絶対いいですよね。粗利の少ないビジネスをしている社長でも、社員雇用にこだわっている人が多くて。

それで、人件費が合わないという理由で、ビジネスを絞ろうとする方がいるのですが、その仕事をアルバイトに担当させたらいいと思うんですよね。

 

芦田:そうですね。社員は社歴が長くなると、給料がアルバイトの3倍ほどかかります。

だから一つの業務を正社員2人でやるのと、マニュアルを作って正社員1人と他アルバイトの4人チームでやるのとを比べたら、4人チームの方が生産性があがります。

マニュアルがさらに向上したら、PCDAをガンガン回すので4人チームの方が生産性もどんどん高くなって、顧客の満足度も高くなります。

逆に、正社員2人だけで全部やっている方は、それぞれに色々な知識があるのでマニュアルも多分、作らないと思います。そして、郵送業務とか、面倒くさい業務も担当するので、顧客満足度も落ちます。

 

 

鈴木:お金持ちになれる組織は、アルバイト7、社員が3の会社ということですか?

 

芦田:はい。付加価値を上げることは当然やっていく必要がありますが、提供コストの原価が高いと提供価格もあがり、お客様に選択されなくなるので、提供コストの削減の両方をやっていくのが一番良いですね。

 

 

 

鈴木:この図、面白いですね。

 

芦田:まず、お客様にとっての付加価値があって、私たちが設定する提供価格があります。それらを提供するための原価(提供コスト)がある。付加価値と提供価格の差額がお客様の満足です。コスパが良い、という言葉がありますが、それは、この付加価値の割に提供価格が安いと感じた時に使いますよね。逆に、付加価値は高いけど、価格も高いとなると価値は高くとも、コスパはけしてよくありません。そして、この提供価格の元になるのが原価です。原価を下げることができたら、提供価格も下げることができるので、お客様の満足度が上がります。これは、どの業種でも一緒です。

 

 

 

組織をお金持ちにする方法は、お客様が感じる付加価値を上げて原価を下げる、これしかないです。原価を下げるためにはアルバイトを使うことです。最低賃金のアルバイトを使った時点で原価を下げ切ったということになります。

 

 

鈴木:日本の会社ってアルバイトのボリュームが増えると、いわゆる帰属意識が低くなると思われてるじゃないですか。それを気にしている社長も多いと思うんですが。

 

芦田:どこの会社のオーナーも離職率を下げたいと思っています。でも、仮に離職率30%の業界があったとしても、この会社がどんなに社員を大事にして従業員満足度を上げても離職率は間違いなく15%以下にはならないと思います。

たとえ給与を1.5倍にしても離職率は15%が限界ならば、離職率を下げることを考えるのではなく、入社後の戦力化までの期間を従来1年かけていたものを3カ月に短縮するモデルを作った方が現実的だと思います。

会社としてやらないといけないのは早期戦力化です。3カ月、1カ月で戦力化できれば、短時間アルバイトを雇えば大丈夫になるので。

マクドナルド、松屋などのファストフード店のオーナーは、同じスタッフが3年後も働いていると思って経営してないはずです。

 

鈴木:言われてみればそうですね。

 

芦田:私、最近社員に言っていることがあるんです。

例えば2億の売り上げがあるとして、通常の経費が1億8000万だとします。その経費をもし1億5000万に下げることができたら、利益は5000万円になります。

あなたたちのボーナスの配分を10%とすると2000万の利益では、200万円になります。

ところが、経費を1億5000万に下げて利益が5000万になるなら、ボーナスの配分を20%にしてもいい。そうするとボーナスは1000万円になる。それでも会社の手残りは4000万です。

どっちの方がいい?そりゃみんな1000万円が欲しいですよね。

これで人件費を下げるためにアルバイトの割合を増やすと、よりボーナスも増えて、会社の手残りも増えます。

だから原価を下げる方がいいのではないか?と。

離職率は簡単に変えられないけど、3カ月もあればビジネスモデルは変えられますよ。

 

 

 

 

鈴木:確かにそう思います。

 

芦田:例えば社員にとって天国みたいな会社すると、イコール原価が上がります。そうするとお客様の満足度は低くなる、そうなると中長期的に考えてボーナスは減ります。

それよりは、早期戦力化のシステムを作って、アルバイトの人の待遇を良くしたらいいじゃないですか。正社員の人には利益が上がったら還元する形にしたら、辞める人は少ないと思います。

 

鈴木:ちなみに今の話を世の中の人が納得して取り入れた場合、世の中の労働者の7割はアルバイトになりますが、それは良いですか?

 

芦田:良いか悪いかはわからないですけど、でもそういう流れになっていますよね。日本のサラリーはここ10年間ずっと下がっています。

 

鈴木:もうすでになっているということですね?

 

芦田:なっています。例えばマクドナルドだと店長が1人いて、あと1人リーダーみたいな方がいて、あとは最低賃金の海外の人ばかりですよね。戦力化できるまでに1年も2年もかかるビジネスモデルをやっているから、辞められることにビクビクしてしまいますが、マクドナルドの店長は辞められてしまうことに絶対ビクビクしていないですよ。

 

鈴木:今すぐ採用の方針を切り替えようと思いました。

 

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