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愛知県

株式会社サンアスト

代表取締役

佐治 邦彦

KUNIHIKO SAJI

仕事が楽しくなるビジネスモデルを広げて日本を元気にする

FAVORITE

PROFILE

  • 企業名

    株式会社サンアスト

  • お名前

    佐治 邦彦

  • 生年月日

    1967年2月2日

  • 出身地(都道府県)

    愛知県

  • 出身校

    愛知学院大学

  • あだ名

    くにさん

  • キャッチコピー

    ゴルフ好きな社長ドクター

  • 仕事が楽しくなるビジネスモデルを広げて日本を元気にする

  • 人生成分6つのキーワード

    甲子園出場、会社倒産の危機、師匠の教え、長男の誕生

  • 部活、特技

    準硬式野球部

CEO STORY

Q1

C. 事業内容を詳しく教えてください

「ミッション経営」という独自のメソッドを提供する経営コンサルタントを行っています。そのメソッドは、経営者の自己実現を追求し、社員・お客様・経営者が幸せになるという新しい時代の経営改革を推進するという手法となっています。ミッション経営は、目先の問題解決ではなく内在する真の課題を浮き彫りにし、「お金」と「人」が抱える問題を同時に解決するという斬新なアプローチを特徴としています。起業ミッションに基づき、一貫した形で「売れ続ける仕組み」「投資回収の仕組み」「人が育つ仕組み」の3つの要素をかけ合わせて勝ちパターンを組み立てていくのです。
また、ミッション経営の基礎知識をオンラン講座でも学べるようにしています。何をすれば良いのかを具体的に学ぶ場所として「経営者向けのコミュニティ」を組織し、グループコンサルでは経営者の皆様の悩み事や問題へのアドバイスも直接行っています。
さらに、会員以外でも一般の方も参加できる各種イベントも企画しています。ベンチマークツアー、開催視察ツアー、経営合宿などがあり、これらのイベントはミッション経営を知っていただく良い機会にもなっています。

Q2

D. どんな学生でしたか

プロ野球選手を目指し野球一筋の学生生活でした。中学は、野球の強豪校に進み学校には電車で越境通学をしていました。高校では、春の甲子園に4番センターで出場を果たしたのですが、その陰で故障に苦しんでいました。甲子園に出る前の年、2年生の秋に足を痛めたのです。この怪我が致命傷となり、結果的にプロを諦めざるを得なくなりました。失意の中で私は、同級生のライバルたちが華々しいプロ野球の世界へ進んでいくのを見ているわけです。その姿を見る羨ましさと口惜しさといったらありません。それまで人生をかけて目標にしていた夢が断たれたのですから。絶望感は計り知れず、人生お先真っ暗のような状態でした。
立ち直れないような絶望感を味わった青春時代でしたが、高校まで野球を必死で続けたからこそ、「何が何でもやってやる!」という「強い精神力」と「絶対にへこたれない根性」を身につけることができました。そしてその体験は、その先の人生に大きく役立つこととなったのです。

Q3

E. 学生時代から社長になるまでの道のり(経歴)を教えてください

プロ野球選手になるという目標を失った後、進学した大学では、「抜け殻」のようになって過ごしているような時期もありました。そんな時期、当時入っていたサークルの仲間に、「起業」を目指す者がいたのです。そんな彼らを見ているうちに、実力で勝負するという意味では、「起業をすることもプロ野球と同じだ」と感じるようになったのです。「起業」を意識しながらも、大学卒業後は一般企業に就職をしました。転機が訪れたのは、2社目となる求人広告会社での勤務時です。営業をしていた私は、入社半年足らずでトップセールスの倍の金額を売上げました。その時、私がしていたことは、とてもシンプルなことでした。「通い続ける」そして「本音で向き合う」ということです。他社の営業マンは3か月も通うと諦めるのですが、それを過ぎても私は足を運び続けたのです。そうすると、相手も「コイツ、本気だな」という熱意を感じてくれるのです。そこから、一気に仕事を頂けるようになりました。お客様に求人のコツなどを助言するようにしたところ、お客様から別の会社をご紹介いただけるようになり、次々と依頼が舞い込んでくるようになりました。この成功経験が、独立へとつながりました。

Q4

F. 最近感情が動いたエピソード

私のもとを尋ねてくださるクライアントさんの多くは、「経営が思うようにいかず、悩んだ末に」という方ばかりです。そんな経営者の方に共通しているのは、「会社のために、社員のために、と無理して頑張っている」そして、それが「当たり前だと思っている」ということです。よく「経営者は孤独」だと言われるのも、そのような実態があるからだと思います。でも、無理をして働いていても長くは続きません。経営者の皆様に「肩の力を抜いて、楽しく経営しましょう」と提案するのが私の仕事です。
経営計画合宿では、働くことの価値や意味を見出すことが目標の一つとなっています。合宿を通して、今までにない気づきを得た時の皆さんの笑顔は、言葉では言い表すことができないくらい素晴らしいものです。何年、何十年と続けてきた「歯を食いしばるがむしゃら」なスタイルから解放された時に参加者の皆さんが浮かべる安堵の表情は、何度見ても感動的です。その笑顔のあと新たな気づきを得て前進する決意を固める姿に、私自身がやりがいと生きがいを感じています。

Q5

G. 汗と涙の塩(CEO)味エピソード(経営における最大の危機)

今までに倒産の危機が3回ありましたが、最大の危機は3度目のものでした。毎年最高益を更新し経営が好調な時でしたが、その時に4つの負の要因が突如会社を襲い「大赤字」を出すことになったのです。当時、印刷物を中心とした広告を取り扱っていました。収益の柱がパチンコ屋のチラシだったのですが、その頃北朝鮮不正送金とパチンコ業界の関係が取り沙汰され、政府が厳しい規制を始めたのです。その結果、パチンコ業界が大打撃を受け、その煽りを受けることになりました。折しも印刷業界では格安印刷会社が台頭し、顧客先への営業攻勢をかけてきました。そのような状況の中で、事業をコンサル・教育関係へシフトすべく事務所を移転するなどしていたことから、大きな借金も抱えていました。売上は下降の一途をたどり、毎月200万円、300万円の赤字が続きました。さらに追い打ちをかけたのは、共同で経営をしていた飲食店が半年で閉店になってしまったことです。負の連鎖の中で右腕だった社員が離れ、お金だけでなく周りからの信用も失った私は、この時「本当に終わった」と途方に暮れました。

Q6

H. 経営危機をどのように乗り越えましたか

パチンコ業界への規制に端を発する経営危機は、これまで経験したことがないような売上ダウンの要因となりました。赤字分は経費の見直しや役員報酬の返上でやりくりし、なんとかしのぎましたが、この時の苦しい体験は、経営にとって本当に大切なこと、「自分が相手の役に立っているかどうか」ということを考える良いきっかけになりました。広告代理店として印刷物を提供していましたが、印刷だけなら他社でもできます。また、継続して受注できていた理由も、考えてみれば接待や仲の良い経営者がいたからだということに改めて気づかされたのです。心のどこかで、「この状態では長くは続かない」と感じていたことを、正面から捉える良い機会になりました。
 この時に一番の励みになったのは、旧知の飲食店の経営者からコンサルを頼まれたことです。飲食店の経営に失敗した私に依頼が来たのです。思い切って引き受けると、その飲食店の業績を上げるという「成果」を出すことができたのです。その時「できること」と「教えること」は別だということに気が付き、ゼロから出直す気持ちで経営の勉強に集中したのです。

Q7

I. 社員とのエピソード(名物社員紹介)、社員への思い

夢や理想について、聞くとなぜか怒り出すタイプの社員がいました。「なぜ怒るのだろうか」と原因を私なりに分析すると、その人自身に「夢や理想がない」もしくは「それが分からない」からだということがわかりました。この社員は、仕事のやりがいを「社長の役に立てるなら」、「クライアントさんが喜んでくれるから」などと他人からの評価に見出していたのです。そんな彼に、夏に主催する経営計画合宿に同行してもらいました。合宿では、経営者の方に対して意思決定をはっきりさせるための学びも行います。そこでの講義の中で、私は常に「自分がどう生きたいかを見つけないといけません」と伝えているのですが、その最終日に彼に変化が訪れました。合宿期間中、「自分はどうなりたいのか」という課題に真剣に向き合う参加者の様子と自身を重ねていたのでしょう。最終日に、彼が感想を述べている時には、感動のあまりに涙する場面がありました。クライアントさん向けの合宿が、社員の意識変革のきっかけになったことは、私にとっても嬉しい収穫でした。

Q8

J. リーダーシップのスタイル

一人ひとりが主体的に行動することを目指しているので、フォロワーシップに徹しています。もともと私が体育会系なこともあり、以前は自らやってみせる、自分がリーダーシップをとるやり方をした時期もありました。けれど、いろいろな学びをするうちに、気づいたことがあったのです。それは、特性や良いところを活かして理想に向かわないと、継続的に行動するのは難しいということです。今では、「あれこれ」指示をするのではなく、社員自身が「何をやりたいのか」、「そのために何が必要か」ということをカウンセリングやコーチングをして探っていくようにしています。その背景には、自分の経験があります。小さい頃から野球一筋でしたから、指示されてやることが当たり前でしたが、ずっとしんどいと思っていました。今思い起こせば「プロ野球選手にならねば」の道に、楽しさは全くありませんでした。「せっかくやるなら、楽しんでやるほうが良い」」ということを、かつての自分を振り返って、今皆さんに伝えています。

Q9

K. 事業を通して実現したい夢

目標にしているのは、「Small Good Company」を量産して、日本を元気にすることです。多くの会社は、規模・売り上げの追求で苦しんでいます。
・会社が大きくなれば、みんなが幸せになる。
・売り上げが上がれば儲かる。
これらはすべて思い込みです。例えば、飲食店で「売り上げを伸ばしたいからお客様を増やしたい」、でも現状すでに手いっぱいでこれ以上お客様が増えても、対応ができない。こんな苦しい矛盾を抱え込んでいる会社は多いのです。大切なのは、規模よりも社会性です。その会社が、社会に存在する意義を高めることなのです。そうすれば、お客様に支持され、リピート率も自然と上がります。その結果、お客様、社員、みんなが幸せになれるのです。現在私は、指導者として教える側に回るコースも設けています。私だけでなく、ノウハウを学んだ仲間とともに、このビジネスモデルを広げ、自分も周りも幸せになれる社会を実現していきたいと思っています。

Q10

L. 夢を実現するために武器となる社長の強み、こだわり

自分がどう生きたいのか、はっきりと見定めることにこだわりを持っています。経営者層の中には、人から評価される夢を描いているケースが意外と多く、かつての私もそのひとりでした。「売上至上主義」だと、心が辛くしんどくなっていきます。私の場合は、このままでは「もうダメだ!耐えられない!」というレベルに達して、ようやくその間違いに気づくことができました。きっかけは、たまたま出会ったセラピーです。そこで立ち止まって、社員や家族、お客様について改めて考え直すきっかけを得て、復活することができました。一番大切なことは、「自分はどうしたいのか」です。「自分らしさは何なのか」まず、それをみつけることであり、夢への一番の近道なのです。軸がはっきりしてくると、「どうあるべきか」が見えてきます。進むべき方向が定まると迷いがなくなり、行動も加速していきます。

Q11

M. 社会貢献、地域貢献、SDGsに関して実行していること

事業を通じて、日本を元気にしていきたいという強い気持ちがあります。世界平和の構築を目標として活動している団体に加入し、将来を担う子どもの教育にボランティア活動で参加をしています。経営者の方と接してきて気づいたことは、不安や危機感で生きている人の多さです。これは、子どもの頃に親から家庭で受けていた教育の影響もあると思うのです。「勉強しないと将来困るよ」と不安を植え付けられる環境で育つことで、大人になってもその恐怖から抜け出せないでいるのです。
経営者の役割と社員の生活を考えることが最優先になり、自分の理想や幸せがいつのまにか置き去りにされてしまうのです。次世代を担う子供達には、子どもの頃から意識を前向きに持ってほしいという思いから、私のノウハウを学んだ仲間と共に、子供達の未来に目を向けた活動を行っています。

Q12

N. 自社の強み、面白い制度

自社の最大の強みは、なんといってもクライアントさんの質の高さです。社員が3名いますが、勤続年数が15年、20年と、長く働いている社員ばかりです。「待遇がいいからでしょう」だとか「福利厚生などの社内制度が整っているからでしょう」と言われることもありますが、実は理由は他にあります。彼らが長く勤務している理由は、クライアントさんの質が高いからなのです。我々の仕事は、クライアントさんの話をじっくり聞くことが非常に重要です。傾聴することでクライアントと価値観を共有できるかどうかをしっかり確かめるのです。そうでなければ、お互いに良い仕事ができないからです。結果的に、ご縁のあったクライアントさんとの仕事は楽しいものとなるので、社員も喜んで顧客と共に長い間働いてくれるという好循環が生まれています。お客様の質に支えられているので、感謝しかありません。

Q13

O. 若者に望むこと、共に挑戦したいこと、メッセージ

私が好きな言葉を紹介します。哲学者 芳村思風(よしむらしふう)の言葉で『長所半分 短所半分』という格言です。これは、どんな人にも長所と短所がある。長所を伸ばせば、短所はその人の味となり個性になる、という意味です。私は、学生時代に野球で完璧を目指していました。できない部分があれば「それではダメだ」と必死で克服しようとしていました。当時はとても苦しかったのですが、社会人になってからこの言葉に出会い、救われたような思いがしました。当時の自分の気持ちに寄り添い、癒された気持ちでした。きっと学生の皆さんのなかにも、同じような気持ちの方がいるかもしれません。同じ努力をするにも、視点を変えると楽しく歩めるようになります。この私の経験をぜひ参考にしてください。

Q14

P. 家族へのメッセージ

夏に開催した経営者向けの合宿に、私の家族も参加しました。プログラムの中で、妻は闘病生活の中で出会ったクリスタルボウルという楽器を演奏したのです。クリスタルボウルの音はヒーリング効果が高く、心身の調和を促す音色です。今妻は、クリスタルボウルの魅力を伝える側になりたいとスキルアップを続けています。
私はいつも、経営には「何よりも心を整えることが大切」だと伝えています。妻は私の事業の良き理解者であり、その言葉をいつも私から聞いていました。その妻から「合宿に参加しているみなさんに演奏を聞いてもらいたい」と提案があり、参加者の前でクリスタルボウルの演奏をしてくれたのです。
普段、妻は社業に直接関わることはありませんが、自分の得意なことでクライアントさんの成長に役立ちたいと協力してくれたその心づかいは、非常に嬉しいものでした。妻の演奏は、参加者の皆さんからも大変好評でした。妻はもちろん、私もこの企画が好評を得たことがとても嬉しかったです。日頃から家族あっての会社経営だと感じていますが、それを改めて実感しました。