株式会社エントリー 代表取締役社長 寺本 潤

デザインの専門学校を卒業後、大阪のディスプレイ会社や広告代理店に勤務するも、阪神淡路大震災などの影響で不景気となり転職を余儀なくされる。転職活動と並行し次の仕事が見つかるまでの繋ぎのつもりで、短期の人材派遣会社にスタッフ登録をしたことが始まりである。その会社で派遣スタッフとして働くなかで正社員にというお話を頂き、頑張り次第で評価されるというベンチャースピリッツあふれる点に惹かれて社員になった。「何をするか」よりも「誰とするか」を選択したのである。

当時の社長からビジョンを聞き、カッコいい姿と言動を目の当たりにして「こんな社長になりたい。自分がこの会社の社長になる！」と、社長になる事を決意。
そこから、営業、支店長、エリアマネージャーになり、入社後わずか14年で社長就任へ。
社長に上りつめる中で会社は大きく成長していき、それに比例し、時代の変化と共に保守的な経営体制へと変わっていった。
派遣スタッフとして働いていたからこそ、「こんな仕組みがあったほうが便利だ」と感じることを実現したかったが、大きく成長した会社で行動に移すのは困難であった。

その点で自分の中でのベンチャースピリッツに物足りなさを感じ、もう一度ゼロから同じ志を持つ仲間とやり直す決意をし社長を辞任。
2013年にエントリーの母体となった会社の経営に参画する。
2014年にその会社の株を買い取り、自らが代表に就任。
その後、社名を「株式会社エントリー」に変更し、短期に特化した人材派遣業を開始。
事業開始時はわずか2人で他の会社の一角を借りてのスタートであった。
そこから徐々に仲間が増え、現在は国内30以上の拠点を持てるまでに成長した。

寺本がエントリーの代表となってからこだわってきたことの１つに「利便性の向上」があります。
常に派遣スタッフの目線に立ち、仕事を探す手段や報酬の受取方法など、あらゆる面で利便性を追求している。
その結果、業界初となる「24時間365日の全額給料振込みサービス」が誕生した。
24時間365日、いつでもどこでも給料を受け取れる点がサービスの強みだが、スタッフへの給料の支払いとクライアントからの
入金の時間差によって生じるキャッシュフローの問題から、売り上げが上がれば上がるほど黒字倒産してしまう危機に悩まされました。

東京・大阪の２拠点からスタートしたが、まず黒字危機を大逆転させるきっかけとなったのは、長年の経験を活かしたエントリーの“拠点戦略”でした。 どの場所にニーズがあるか、どこに拠点をおけばどの位の売り上げ規模になるかが、経験によって予測できたからこその戦略である。黒字危機でありながらも、自分自身と仲間の経験を活かして拠点を増やしていくというベンチャー精神で戦い続けた結果、徐々に目標どおりに業績が向上。売り上げは毎年上がり続け、創立からわずか6年の2020年に売上100億円を達成するまでに急成長した。現在は32拠点を構えています。