2023年11月15日、東京・恵比寿ガーデンプレイス・ザ・ガーデンホールにて行われた、Z世代が選ぶ“推し社長”No.1決定戦【MY CEO AWARD 2023（マイシーイーオーアワード）】ファイナルステージ。全国からエリア1位に選抜されFINALIST7となった7名の社長が総勢450名以上の社長＆学生の前でおこなった5分間のピッチ内容を紹介するCEOレモンスペシャル企画。ここでは株式会社黒坂鍍金工業所 黒坂猛史社長（鍍金業・東京）のピッチをご紹介します。
ピッチテーマは「事業を通してZ世代と叶えたい夢」。会場の学生投票の結果、黒坂社長が見事2023年のCHAMPIONに選ばれています。

～Pitch Report～

実は僕、自殺願望をずっと持っていてですね。
2022年の8月13日にあるホテルの窓ガラスの上に立っていました。飛び降りる前に自分を取り戻すことができたので、今このステージに立つことができています。もともと僕はハチャメチャな人生を歩んできました。高校はクビになっていますし。最初ムラサキスポーツで働いていたのですが、2004年、朝起きたら突然父の会社を継ぐことになっていました。当時会社は借金10億円7期連続赤字の状態でした。
借金を抱えてとりあえず20年間走り続け、借金はゼロにしました。社員がすごく頑張ってくれているのでそのような経営ができてきたのですが、数字だけを追いかけていく経営をしてきた結果、目標がわからなくなってしまいまして。
社員も給料を上げれば幸せになれるのかなとか、いろんなことをずっと考えた結果、たどり着いたのは目標を目指すことではなくて、目的を明確にすることだと気付いたんです。
皆さんにも知ってほしいのは児童生徒の自殺数です。目の前にもたくさんいるZ世代と呼ばれる若者の中でこれだけの人が自殺を選択しています。昭和から考えると約3倍、2万5000人から3万人が日本で自殺している状況下で僕自身もここにいます。
目標ではなく、目的の重要性に気づき、誰のために何のために経営しているのか。社員が本当に求めているものは何なのか。お客様が求めているものは何なのか。自分ではなく、利他の精神というものをもっと大事にしなきゃいけないと思い直しました。
私達の会社は鍍金業を行っています。創業70年の表面処理（鍍金＝メッキ）技術で、コンピュータ、半導体、車載、光学、電気製品など多くの産業の発展に貢献してきました。皆さんが持っているスマートフォン、これからですと無人の車なども鍍金が必要です。珍しくちょっと緊張していてうまく喋れていないですね。笑
我々の技術というのは裏方です。ただ、我々の表面処理技術があるからこそ、皆様方の生活がより豊かになる。軽量化、小型化など。ノートパソコン等も、中を開けるとあちこち鍍金されています。
鍍金を通して何をやるとかということよりも、愛やPASSION・情熱を持ってあらゆる人々に貢献していこうと考えています。そのためには5人の社長を作るということが目標です。今の会社も70年経っていて僕が3代目ですが、次の社長は必ず今の社員から出したいというのが僕の目標なんですよ。そして関わる全ての人々を物心両面豊かにするということ。
まずは社員、それから社員の家族が私・黒坂と出会ったことによって、私の理念のもとに働くことによって、それを実感してほしいです。そして、皆さんのような若者たちとの言語化による境界線を無くしていきたい。
社員と社長とか地球人とか宇宙人とかいう差は、その言語があるから生まれてくると僕は思っていまして、そのせいで差別やいじめ、そこから生まれてくる自殺願望に繋がってくるのではと思います。このような不幸な社会を少しでもなんとかしたい。日本全国だとか世界を巻き込むような言葉は僕には言えないですけども、いま日本にいる2万人から3万人の自殺をしたいなという人たちを一人でも良いから助けたい。これが私の夢です。そしてうちの会社は女子社員がめちゃくちゃ多いのですが、女性が輝く会社、そしてより豊かな人生・未来・社会を作っていきたいということが、我々黒坂と社員一同の夢・希望です。ぜひ覚えておいていただきたいなと思います。
このようなステージを用意していただきありがとうございました。

※MY CEO AWARD 2023ファイナルステージでFINALIST（東京エリア代表）として行ったピッチ内容を記載
※MY CEO AWARD詳細はこちら https://shacho-chips.com/award/myceoaward/